
「明治150年」事業があった年の終りに本書が刻む意義は大きい。
個人の尊厳は、ともすれば国にからめとられ、踏みにじられる。戦時はなおさらだ。マイノリティの尊厳はさらに酷い扱いを受ける。私たちが伝え残すべき歴史は何だろうか。
手がかりは、日本各地に残る戦跡とその記憶を次世代に伝える権力から遠く離れた地域の活動にある。
雑誌記者のテンポよい文章と旅情かきたてる渾身のルポルタージュ、オールカラー。
〈ノンフィクション、旅、歴史〉

● 本 書 紹 介
室田元美/著
ルポ 土地の記憶
─ 戦争の傷痕は語り続ける ─
A5判 ソフトカバー
152頁 オールカラー
定価=本体1800円+税
・A5判 本文3段組
・携帯しやすいハンディな雑誌スタイル
・写真満載 オールカラー
・各地の戦跡ガイド付き
2018年11月末刊

● 目 次
01 廃墟の島の歴史実話 長崎県・軍艦島、伊王島
02 たなばたの夜、空から降ってきたものは 山梨県・甲府の空襲
03 日中韓の若者たちと訪ねた、鬼伝説の山 京都府・大江山ニッケル鉱山
04 信州から見える、さまざまな戦争 長野県・満蒙開拓平和記念館、平岡ダム
05 首都圏に置かれた、軍の重大施設 東京都・浅川地下壕、神奈川県・日吉台地下壕、登戸研究所
06 うぐいすの鳴く山里で 広島県・安野発電所
07 フラガールと炭鉱のまち 福島県・常磐炭鉱、茨城県・日立鉱山
08 『火垂るの墓』と人びとの受難 兵庫県・神戸空襲
09 海を越えてきた少女たちは、いま 愛知県・名古屋三菱朝鮮女子勤労挺身隊、富山県・不二越朝鮮女子勤労挺身隊
10 温泉の湧く、西伊豆の金山で 静岡県・土肥金山、白川の鉱山
11 うるわしい地名の陰に 群馬県・月夜野事件、吾妻線
12 瀬戸内海に面した街の、あの時代 兵庫県・相生旧播磨造船所
13 フィールドワークでわが街を知る 千葉県・千葉市空襲、大網白里の戦跡
14 郷土史の灯を消さないために 奈良県・柳本飛行場、生駒トンネル
15 大震災のあとに 神奈川県・東神奈川、千葉県・船橋、習志野、八千代
16 京の都、長い歴史の中で 京都府・ウトロ、京都市内
17 島のいくさ世 沖縄県・伊江島
18 つながるインターナショナリズムこそ 沖縄県・チビチリガマ、恨之碑、平和の礎
- 2018/11/01 特設サイトを公開しました。
- 2018/11/27 各エピソードのバナーを公開しました。
- 2018/12/03 1~18話のエピソードページを公開しました。
- 2019/01/17 初版1刷正誤表PDFファイルを公開しました。
- 2019/02/08 「社会新報」2月6日号で紹介されました。「地元市民が丹念に検証」
- 2019/02/15 「ふぇみん」No.3212 書評欄で紹介されました
- 2019/02/22 「週刊金曜日」1221号 本箱で紹介されました
- 2019/03/09 市民セクター政策機構主催「『ルポ土地の記憶─戦争の傷痕は語り続ける』出版記念 第一部 各地の「記憶」をたずねて 第二部 対談 地域の戦争を伝え・残す 東京に残された巨大地下壕「浅川地下壕」とは何だったか」が開かれました(於・生活クラブ生協 生活クラブ館)
- 2019/03/22 東京新聞「こちら特報部」でロングインタビュー記事「戦争遺跡ルポ刊行 室田元美さんに聞く 「加害の記憶」消す動き 「語り継ぐ」思い 軽視」」(24・25面)が掲載されました。
- 2019/04/01 「市民の意見」NO.172で紹介されました。
- 2019/07/01 「朝鮮新報」文化面に書評(評者・琴基徹)が掲載されました。
●各章の見どころ
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著者紹介
室田元美(むろたもとみ)
1960年神戸市生まれ。関西学院大学社会学部卒業後、女性誌のライ ター、FMラジオ番組の旅をテーマとした構成作家を経て、各地を 旅して戦争に関する取材を行っている。著書『ルポ悼みの列島 あの日、日本のどこかで』(社会評論社、2010年)で「第16回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞」受賞。『いま、話したいこと東アジアの若者たちの歴史対話と交流』(子どもの未来社、2014年)、共著『若者から若者への手紙 1945←2015』 (ころから、2015年)他。