特集●戦後71年(4)長崎から近代日本の暗部を照らす──『軍艦島に耳を澄ませば』『ナガサキの被爆者』

ナガサキ2点

1冊目は『増補改訂版 軍艦島に耳を澄ませば』です。2011年7月刊行版が品切れとなり、この度あらたに「補遺 沈没!軍艦島 世界文化遺産化の果てに」を加えた改訂版を発行しました。冒頭の「刊行にあたって」をPDFファイルで公開します。

アイコン「特集戦後71年」

長崎からの労作。
『軍艦島に耳を澄ませば』
『ナガサキの被爆者』

『軍艦島に耳を澄ませば』PDFファイル


軍艦島(端島炭鉱)には

開坑から1974年の閉山まで
二度の興隆期があった。
一度目は
1941年前後の太平洋戦争突入時であった。

(本文より)

 

増補改訂版
軍艦島に耳を澄ませば
─端島に強制連行された朝鮮人・中国人の記憶

長崎在日朝鮮人の人権を守る会 編

定価:本体2,300円+税 四六判並製/296頁

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ユネスコ世界遺産として脚光を浴びる廃墟の島には、日本近代史の暗部が刻み込まれていた。

「軍艦島」の異名を持つ端島炭鉱。閉山によってあえなく無人島となり、日本初を誇る鉄筋高層のアパート群も三〇有余年の風雪にさらされて廃墟と化している。しかしそこは、朝鮮人・中国人強制連行・強制労働の歴史が凝縮した島でもあった。(カラー口絵8ページを含む、写真多数)

[目次]

第一章・端島の歴史と朝鮮人

第二章・提訴原告中国人の陳述

第三章・未知への照射
──「端島資料」とその解明

第四章・端島の呻き声
──端島(軍艦島)炭坑と朝鮮人労働者

第五章・端島対岸「南越名海難者無縁仏之碑」

第六章・三菱よ、朝鮮人労務者の遺骨を返せ!

第七章・三菱高島礦業所端島坑「華人労務者調査報告書」の欺瞞

補遺・沈没!軍艦島 世界文化遺産化の果てに


 

2冊目はナガサキの被爆者問題の原点を問うた作品。被爆者をつくったのは誰か。サブタイトル〈死者の民衆は数えきれない〉は、詩人・黒田善夫氏のことばです。

 


1945年8月9日11時02分、
アメリカ軍によって
長崎に原子爆弾が投下される。
浦上天主堂のある浦上地区の上空で爆発。
死者、約7万4千人。
爾来70余年の歳月が過ぎた今、
ナガサキの被爆者問題の原点を新たに問いかける。

 

ナガサキの被爆者─死者の民衆は数えきれない

西村豊行/著

四六判並製328頁 定価=本体2300円+税

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●被爆地「ナガサキ」の存在は、私にとって何であったのか。●

私は一九六五年九月から長崎に居住し、被爆問題の調査を始めた。私の方法論は、革命的詩人・黒田喜夫さんの「階級の底は深く/死者の民衆は数えきれない」につきると言ってよい。階級の底へ底へとおり、そこに横たわる死者の民衆を数えていく、そういうものとして作業をすすめた。

被爆問題を解明していく調査の過程で、在日朝鮮・韓国人の闘いと生活にふれ、また、被差別部落民とあらためて出会うことになった。長崎の被爆問題は強制連行されてきた朝鮮人の存在と深くかかわっている。長崎には戦時中、三菱造船所や兵器制作所があって、そのために原爆投下の目標に選ばれた。

長崎の被爆の事実に迫るため、あらゆる角度から照明をあてるよう心がけたが、とくに被差別部落との関係にこだわり、そこに焦点を絞っていった。それは同時に、私にとっては自己史の切開であった。

[主要目次]

第1部 ガサキの被爆者
――部落・朝鮮・中国

Ⅰ だれが被爆者をつくったか
Ⅱ 切支丹(カトリック)と被差別部落における被爆
Ⅲ ボッシュウで来たとばい
Ⅳ 「被爆」を超えるものはなにか

第2部 死者の民衆は数えきれない

Ⅰ 『ナガサキの被爆者』はどのように読まれてきたのか
Ⅱ 筑豊の被爆者・谷昭次郎さんの戦後
Ⅲ 長崎ノート――死者の民衆は数えきれない

 

投稿者: 社会評論社 サイト

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