| 詳報 | 櫻井毅/著 宇野経済学方法論 私解 社会評論社 2019年6月中旬刊

宇野弘蔵の経済学方法論の核心にある段階論の成立と歴史的意義を再検証し、現代におけるその有効性と残された課題を論じる。

櫻井毅/著
宇野経済学方法論 私解


著者より読者へ

本書は宇野弘蔵先生の経済学の方法論について、以前から今日までいろいろ考えてきたことを書き綴った覚書を整理してまとめたものである。第一部と第二部はすでに武蔵大学経済学部の『武蔵大学論集』(二〇一七年三月)に発表した「宇野経済学方法論に関する覚書(上)」を大幅に書き直したものであるが、第三部については今回初めて発表するものである。なお[補論]の第一は未発表のもので、第二は先のものと同じく『武蔵大学論集』(二〇一八年八月)にすでに掲載のものとほぼ同じものである。いずれもこの二、三年の間に執筆したものであるが、体系的に展開したものではなく、個々の論点について覚書風に書き進めたものなので、広く文献を渉猟したというつもりはないし、新しくやり直した研究とも言えない。しかし、いままで長く学んできた宇野経済学方法論に対する現在の自分なりの理解をいくらかの批判も交えてできる限り正直に書き綴ったものであることに間違いはない。表題に「私解」と付したのは、現在さまざまな批評にさらされている宇野理論体系について、率直に私の理解をあえて示したつもりだからである。

※本書あとがきより抜粋


目 次


序 言

第一部 経済分析の手段としての経済学 宇野段階論の歴史的意義
第一章 段階論登場の必然性

一 プロローグ
二 マクロ経済学の登場の意味
三 マルクス経済学における原理的規定とその現実的適用の問題

第二章 宇野弘蔵段階論の成立

一 日本の農業問題への関心
二 日本資本主義論争とのかかわり
三 宇野による段階論の提起

第二部 宇野経済学方法論の諸問題
第一章 段階論と原理論

一 段階論と『資本論』の原理論化
二 宇野『経済原論』の体系
三 マルクス「経済学の方法」をめぐって
四 歴史的純化による抽象と商品経済の組織原理

第二章 段階論をめぐる方法論的諸問題

一 宇野の段階規定と重商主義段階
二 段階論における支配的資本形態と経済政策
三 段階規定とその移行に関する大内力の主張
四 ウェーバーの方法と段階論の科学的根拠
五 段階論の方法をめぐって─山口重克の所説

第三章 自由主義段階論の問題
第四章 帝国主義段階をめぐって
第五章 現状分析について
第三部 宇野三段階論に残された課題

はじめに

第一章 段階論と資本主義の純粋化傾向およびその逆転または鈍化
第二章 資本主義商品経済の原理と商品経済の原理
第三章 資本類型と段階規定

一 段階規定の基準
二 段階論の主題と適用

第四章 金融資本主義の段階と現代資本主義

一 金融資本の概念と帝国主義段階
二 組織された資本主義または国家独占資本主義
三 現代資本主義と段階規定

結 語

【補論1】小幡道昭教授の宇野段階論批判について

【補論2】加藤栄一教授の宇野段階論修正の試みについて

あとがき

櫻井 毅(さくらいつよし) 経済学者
 1931 年7 月13 日東京市(現東京都)に生まれる
 1950 年3 月武蔵高等学校卒業、同年4 月武蔵大学経済学部に進学
 1955 年3 月武蔵大学経済学部卒業、同年4 月東京大学大学院に進学
 1961 年3 月東京大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学
 1961 年4 月より武蔵大学経済学部勤務、助手、講師、助教授を歴任
 1967 年3 月経済学博士(東京大学)
 1968 年4 月教授(経済原論および経済学史担当)
 1971 年6 月より1972 年3 月までロンドン大学のLSE で在外研究
 1984 年1 月経済学部長(1985 年12 月まで)
 1990 年3 月より同年5 月まで主にロンドンで在外研究
 1992 年4 月武蔵大学学長
 2000 年3 月学長退任、武蔵大学退職
 現在、武蔵大学名誉教授

A5判ハードカバー 344頁 定価=本体4,200円+税
ISBN978-4-7845-1864-7


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