レポート:東京民藝協会3月例会 郷土玩具4「郷土玩具が集まってしまうと‥‥ 先人達の郷土玩具の部屋」講師 中村浩訳さん

☞レポート 2018年3月23日催事見学

東京民藝協会3月例会
郷土玩具4「郷土玩具が集まってしまうと‥‥ 先人達の郷土玩具の部屋」
講師 中村浩訳さん

郷土玩具の話を中村さんが金曜の夕方に神田で語る会合も4度目の今回で幕となりました。今回のテーマは「郷土玩具が集まってしまうと‥‥ 先人達の郷土玩具の部屋」。配布されたペーパーには、得意満面のような少しはにかむような顔つきで写真に収まる先人が写っていました。

その先人とは、郷土玩具収集を生き甲斐とした方々のことです。今回紹介された名前を列記します。

だるまが整然並んだ棚は木戸忠太郎の部屋、武井武雄は微笑んでいてまわりの玩具たちもご主人と一緒にどこか楽しそう、壁にも貼り付けたお面を配置させて仲間と二人でご満悦な川邊正巳伊藤蝠堂部屋は朝一番のような静寂さが漂う棚の中は小さな玩具、内嶋玉峰の部屋は主人の顔がどれか分からないほどお面お面で埋め尽くす不気味さ、様々な大きさの天神様を並べた宮脇新兵衛、こちらも天神を周りに並べて自分は背広姿の梅谷紫翠、どこかのおやぶんのような精悍な印象を受ける鳥山鳩車の背後に玩具が入った棚、高山重城はちょっと緊張した様子で玩具と集合写真、収集品のひな壇の横で頬杖をつきダンディな背広姿の村松百兎庵

他にプロジェクターで映された資料画像には、郷土玩具を収集した方々が紹介されてました。

コンクリート造りでコレクション館を建てたにもかかわらず戦時下であったために空襲の目標になるからと取り壊された逸話のある品川の有坂與太郎、日本郷土玩具の会を始めて社会に広く郷土玩具を広報した神田の牧野玩太郎、新聞社に勤めた斎藤良輔は郷土玩具を理論的に著作に残した、全国的な収集ガイドを著した畑野栄三、銀座白木屋で郷土玩具展・即売会の場を作った担い手の坂本一也といった面々。

各地に受け継がれてきた郷土玩具は、地域特産の材料を用いて伝説や言い伝えに材を採ってきました。その土地だからこそ出来たものだったのですね。

作られる土地を訪れて体感できる自分だけの記憶を思いとどめられる記念品だからこそ、どんどん集まって行くのも自然の流れのような気もします。収集家の先人達が集めた郷土玩具は、今よりずっと地方地方がユニークであったむかしの日本にあった時代の形や匂い、色合いを伝えていたキオクそのもののと言えそうです。

残念ながら先人達の収集品は当人が亡くなったことで四散したり、震災や戦争で失われてしまったものもありました。

収集家の思い出そのものは分からないかも知れませんが、集められた郷土玩具そのものに私たちは歴史を学びとることが出来ます。

関東近郊で郷土玩具をみられる場所として「小さな郷土玩具館 杜」「春日部張り子・玩古庵展示場」「日本民藝館」「凧の博物館」「上野村・全国郷土玩具館」「大田区立郷土博物館」「馬の博物館」「達磨堂」があったり、お祭りで売られています。

日本郷土玩具の会は、故人の収集品を新たにシェアし直したり、作者を訪問し交流を続けているそうです。

郷土玩具の収集の仕方、収集方法、集めてからのこと‥‥と説明して来て一番のポイントは「集めるのもホドホドにしなさいということですね」と中村さん場を和ませ会を締めくくられました。

文責・板垣誠一郎


中村浩訳さんに関するサイト

▷ 中村コレクション
http://www.osaji.co.jp/nakamura-collection/

▷ 全日本だるま研究会(公式アカウント)
http://ink361.com/app/users/ig-2262344448/darumania/photos


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