『ファーザー・アンド・チャイルド・リユニオン ─共同親権と司法の男性差別』──FATHER AND CHILD REUNION -Warren Farrell,ph.D. 邦訳刊行(目次詳細・訳者あとがき抜粋)

ワレン・ファレル/久米泰介訳『ファーザー・アンド・チャイルド・リユニオン 共同親権と司法の男性差別』の目次詳細と、訳者あとがきの抜粋を公開します。

ファーザー・アンド・チャイルド・リユニオン
共同親権と司法の男性差別
ワレン・ファレル著/久米泰介訳

2017年9月30日刊 A5判並製330頁 定価=本体3200円+税
ISBN978-4-7845-2405-1

離婚後の「親権」をめぐって、多くの父親が子どもの養育から引き離されている。社会的条件は整っているのに、養育者としては、男性にとって不利な制度が厳然として残っている。父親が、お金の稼ぎ手としてだけではなく子育てをする人として、そして母親との敵対ではなく協力して行なう「共同親権」は、男性を解放する家族の静かな革命だ。アメリカにおいて30万部のベストセラーとなった、運動の第一人者による問題提起の書。

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目次

本書の刊行に寄せて 福田雅章

日本語版への序文   ワレン・ファレル  Ph.D

イントロダクション
静かなる革命
 主に父親へのメッセージ……
 あなたが彼女に価値を置いていることを話し合う
 子どもは単なる子どもではない
 父親の貢献を主張しよう、しかし母親の貢献も含めるのを忘れずに
 主に母親へのメッセージ

第Ⅰ部 父親がいないとき何がなくなるか?

第一章 なぜ父親は重要か

最初はいくつかの基本から
 父親のインパクト
 もしどうしても離婚をしなければならないとき、ではどうすれば子どもにとって最善だろう?
 もし共同養育時間が選択肢にないとき、子どもは母親と父親どちらといた方がよいだろうか?
 結論

第二章 正確に、父親が子どもにすることは母親と何が異なるのだろうか?

父性本能はあるの?
 母性本能はあるの?
 マザーリングvsスマーザリング(窒息)
 子どもたちは彼らの父親と一緒にいたいのだろうか?  父親たちは彼らの子どもと本当に一緒にいたいのだろうか?
 離婚後父親が子どもと会う頻度
 結論として……

第三章 父親はより虐待しやすい?

子どもは母親と父親のどちらに虐待されやすい?
 性的虐待は基本的に、父娘の現象なのだろうか?
 父親はしばしば性的虐待で虚偽に訴えられるのだろうか?
 なぜ父親の貢献の性質を理解しないことが、性的虐待の告発につながるのか
 私たちの母親優位の信仰は、性的虐待の女性による定義を適用していることに関係があるのだろうか?

第四章 父親の育児参加を妨げるものは何だろうか?

父親自身
 産業革命の〝堂々巡りの矛盾〟
 銀行のバイアス(または〝父親の回路〟)
 次回からあなたはフルタイムで育児をするパパを映画の中で見れるだろう、この公式に気づけば
 女性価値のシステム
 門番としての母親の障壁─父親を「妻の会」に入らせない
 悪口のバリア
 障害としての援助の専門家

第五章 全ての人の最善の利益に向けて……

いくつかの解決策
 「子どもの最善の利益」の理論は、子どもの最善の利益だろうか?
 男性を家庭の外に行かせるのではなく、入らせるために払う
 父親の軍隊(corps)
 男性を家庭の中に入れるプラン
 学校の中の男性プラン
 男性の教師の軍隊と働く女性の軍隊の交代
 二一世紀のためのファザーフッドとマザーフッドの再発明
 胎教と親教育
 全ての父親ができることは何だろう(そして母親も)
 結論……

第Ⅱ部 父親を家庭に戻す政治学

イントロダクション

第六章 男性のABCの権利

男性のABC権と責任:中絶(abortion)、避妊(birth)、育児
 (caring)
 男はセックスしてどこかへ逃げることができる、でも女性はそのセックスの結果と共にいなければならない、そうよね?
 男性が父親であることは法的に否定されるのか?
 「選択」に関する法律はアメリカ合衆国が求める平等と適合しているだろうか?
 男性の「A」の権利と責任:中絶(Abortion)、または「女性の身体の
 ことだから、それは女性の選択する権利」の誤り
 「試験管ベイビー」冷凍受精卵への疑問はすぐに出てくることになるだろう
 いかに女性の権利が男性の権利を作っているか
 なぜ代理母が、胎児がお腹にいることに基づいた女性の選択の権利の議論を壊すか
 なぜ代理母は禁止することができないのか……フェミニストでも
 男性の〝B〟の権利と責任:避妊(Birth Control)と信じられること(Believability)
 男性の避妊ピルは実現可能な解決策だろうか?
 男性の〝C〟の権利と責任:育児
 いかに女性はその父親に知らせることなく子どもを養子にだす権利があるのか……そしてなぜ彼は彼女をとめることができないのか?
 女性は妊娠していることに気付いたらすぐにその父親に知らせることを求められるべきだろうか?
 いかに考え方と法律が〝父親育児時間の堂々巡りの矛盾〟を作り出すか
 いくつかの結論と解決
 「選択を共有する」運動

第七章 離婚は女性を貧しくし男性を豊かにするのだろうか?

再婚しない女性と男性についてはどうだろう?
 私たちは結婚期間中の女性の貢献を過小評価しているのだろうか?
 心理的貧困
 いかに主たる育児者でないという理由で男性は子どもを失い、彼らが主たる稼ぎ手であるという理由でお金を失うか

第八章 養育費は家族を助けているのかそれとも傷つけているのだろうか?

我々は女性に家庭を壊すインセンティブを与えていないだろうか?
 父親を奪われた子どもから子どもを奪われた父親まで:ある男性のストーリー
 「養育費(Child Support)」は名前を「母親助成金(Mother  Subsidy)」(または「父親助成金(Father Subsidy)」)に付け直すべきではないだろうか?
 母親助成金は女性に特別休暇を与えるように本当にデザインされているのだろうか?
 ガチョウを殺すと……
 子どもへの責任が等しいとき、誰がより支払うだろう?
 どちらの性別が親の助成金(〝養育費〟)の支払をより滞納しているだろうか?
 もし父親が母親補助金を支払わないと、彼は刑務所に行くことになる、もし母親が父親補助金を支払わないと、彼女は……
 彼の場合お金がないと刑務所へ、 彼女の場合社会サービスへ
 なぜ私たちは父親をボロボロ(Dead Broke)、行き詰まり(Dead
 Ended)、死んでいる(Dead)と思い浮かべるより養育費踏み倒し
 (Deadbeats)として考えてしまうのだろうか?
 どうやったらママはパパに支払わせられるか
 男性は、彼の妻が別の男と作った子どもへの支払いが強制されることがあるのだろうか?
 父親検査は父親の憲法の生命権の一部だろうか?
 父親は母親が引っ越したとき、まだ払っている

第九章 犯罪としての「訪問権(visitation)」

「養育時間(parent time)」の導入
 「ビジテーションタイム」vs「ペアレントタイム」
 心理的な養育費(child support)としての「養育時間(parent
 time)」
 どうして母親に自動的に子どもを割り当てることが常に母親と子ども、そして父親も傷つけるのか
 父親は本当に世話するの? または子どもともっと時間を過ごしたいと言う父親は母親への養育費を減らそうとしているだけではないの?
 離婚後の父親の産後鬱
 なぜ母親たちは父親たちの「父親の養育時間(Dad Time)」を奪うのだろう
 ペアレントタイムの否定は違憲であるだけではない……それは代表なくして課税ありである
 どうやって母親が子どもの「父親時間」を与えないことができるか
 子どもと一緒にいる女性は引っ越しする権利を持つべきだろうか?
 いくつかの解決に向けて……
 もし女性に男女雇用機会均等委員会があるならば、なぜ男性に男女家庭機会均等委員会がないのだろう?
 男性のEEOC(男女感情機会均等委員会Equal  EMOTIONAL  Opportunity Commission)

第一〇章 「虐待」のカードをきる

性的虐待の告発:真実か嘘か?
 ノルウェーからアメリカ合衆国、ソ連スタイルへ
 どのようにして児童虐待の可能性の告発が「一二の児童虐待の保証」を作り出す可能性があるか……たとえその告発が真実だったとしても
 児童虐待の告発がいかにして一二の児童虐待の保証を作り出すか
 法的なジレンマ
 虐待者のラベルを貼られることの恐怖は心理的な不妊だろうか?
 児童虐待としての親虐待としての児童保護
 ビッグブラザーまたは家族のプライバシー?
 性的虐待の教育かおねしょか?
 現実生活での例
 娘は虐待を否定した、ではなぜ父親は刑務所に入ったのか?
 女性のためだけの法律
 性的暴行をした女性たちと彼女たちがなる先生
 なぜ女性は男性を性的虐待で訴えるのか?
 性的虐待の虚偽の訴えは「家庭関係での核兵器」だろうか?
 もし子どもが虐待を主張したら、それは虐待である もし子どもが虐待を否定したら、それは「否認」である
 医療レポートの政治学
 いかに世論、レースカーテン、法律が一緒に動くか
 〝レースカーテン〟による裁判
 大きな構図
 性的虐待の告発:解決に向けて
 カウンセラーと教師は法制度で何をしているのだろうか?
 どのようにして我々の教育制度は本当に子どもを保護しているのだろうか?
 性的虐待の告発が嘘なのはどんな場合といえるだろう?
 どのようにしてその法律は子どもを守り、そして親たちを守れるだろうか?

第一一章 父親を無視することの政治的結果

なぜ私たちが父親の権利を支持しないとき、実際には「胎児の生きる権利(プロライフ)」運動を支持することになるか
 プロチョイスの女性とプロライフ(胎児の生きる権利)の女性に共通していること
 「父親スタイル」と「母親スタイル」があるが、裁判所が「父親スタイル」が何を意味するか理解しない限り、父親の貢献は児童虐待に間違えられるだろう

第一二章…結論:父親と子どものリユニオンに向けて

育児機会平等の八項目(The Octant of Equal Opportunity
 Parenting)
付録
もし離婚が避けられない場合、男性は何をする必要があるだろうか
 離婚が避けられないとき男性がする必要があること……
 裁判前、してはいけないこと──
 裁判中にすること──
 裁判中やってはいけないこと──
 裁判後、するべきこと──
 裁判後、してはいけないこと──

著者:ワレン・ファレル(Warren Farrell)
https://twitter.com/warrenfarrel
1942年、アメリカ、ニューヨーク州生まれ。ニュージャージー州のモンテクレア州立大学卒業(社会科学)。カリフォルニア大学で修士号(政治学)、ニューヨーク大学で政治学博士号を取得。その後、カリフォルニア大学サンディエゴ校、ブルックリン大学、ジョージタウン大学、ラトガース大学で心理学、社会学、政治学、ジェンダー学についての教鞭をとる。1970年代から、National Organization for Women(NOW、全米女性機構)の役員に三度選出される。1974年、“The Liberated Man”を出版し、86年には“Why Men  Are the Way They Are”(『男の不可解 女の不機嫌─男心の裏読み・速読み・斜め読み』石井清子訳、1987年、主婦の友社)が、ナショナルベストセラー賞を受容、『ニューヨーク・ポスト』紙において「恋愛、性そして性的関係について書かれてきた今までの本で最も重要な本」と称される。1993年に発表された“Myth of Male Power”(『男性権力の神話─男性差別の可視化と撤廃のための学問』久米泰介訳、2014年、作品社)もベストセラー賞を受賞し、男性差別を命題化した書籍として現在も高い評価を得ている。


訳者:久米泰介(くめ・たいすけ)
1986年愛知県生まれ。関西大学社会学部卒業。ウィスコンシン大学スタウト校で家族学の修士(MS)取得。専門は社会心理学、ジェンダー(男性における)、父親の育児。訳書にワレン・ファレル『男性権力の神話─《男性差別》の可視化と撤廃のための学問』(作品社、2014)、ポール・ナサンソン、キャサリン・K・ヤング『広がるミサンドリー─ポピュラーカルチャー、メディアにおける男性差別』(彩流社、2016)。

訳者あとがきより

言うまでもなく、『father and child reunion』 はポール・サイモンの曲タイトルにもなっている母親と子どもの絆、つながりを象徴する言葉「mother and child reunion」へのもじり、皮肉、挑戦である。「mother  and child reunion」という常識的に誰も違和感を持たない響きに対して、では当然「father and child reunion」にも違和感はないはずだという提示である。

意味を訳せば父親と子どものリユニオン(再会)ということであるが、父親と子どもの〝リ〟ユニオンという響きが、保守的にとられそうな感じがあったため、邦訳タイトルも、ファーザー・アンド・チャイルド・リユニオンという英語タイトルにした。サブタイトルに共同親権と司法の男性差別というわかりやすい日本語を入れているので、それで理解できると考えた。

またサブタイトルは共同親権となっているが、ファレルは本書で書いている通り共同親権(joint custody)よりも、共同養育(shared parent time)を意識して使っている。これは、ファレルだけでなく、英語圏の共同親権(養育)運動や、司法もそれらの言葉を共同親権から移行して使用する割合が増えている。これは訪問権「visitation」も同じで、この「訪問」する、つまり週に一度程度しか会えないという響きがよくないため、運動の政治的戦略的に、養育時間(parenting time)という言葉に変えてきている。

ただし、日本はそもそも、そこまでのレベル、段階に全く達していないので、現時点では離婚後の共同養育や養育時間と言われても全く、ピンとこないと思ったため、共同親権にしている。その方が現在日本では何を意味するかわかりやすいからだ。訪問権も同じで、日本では面会交流という名前になっているが、隔週土日では足りない、少ないという「平等ではない」という主張以前に、日本では月一回の面会交流ですら同居親に強制できないのが現状である。

アメリカ含め欧米(北欧三国含む)の共同養育への流れはまず、面会交流の義務化+共同親権を目指す動きがあり、ある程度共同親権が(必ずしも物理的に一八〇日子どもと過ごせているわけでないが)実現できた中で、さらに完全な平等(最終的には一八〇日子どもと過ごす)を求める段階でこの「共同養育」という言葉が出てきている。日本は完全に、まず、離婚後に父親に子どもを育て会う権利があるということを認識させる状態レベルなため、共同養育という言葉はまだ通じないと考えた。


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投稿者: 社会評論社 公式ブログ - 目録準備室 -

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