海峡を越える市民運動のレポート ─『五〇年目の日韓つながり直し 日韓請求権協定から考える 』

吉澤文寿/編著『五〇年目の日韓つながり直し 日韓請求権協定から考える 』が好評発売中です。各論考の目次をお伝えします。

序 論
第1章 「日韓財産請求権協定で解決済み」論を批判する
第2章 用意周到に準備されていた会談の破壊 ─「久保田発言」と文化財協定合意議事
第3章 韓日過去清算、まだ終わっていない ─「請求権協定」を中心に
第4章 韓日協定締結五〇年、改めて「対日請求権」を論ずる
第5章 日韓請求権協定 ─日本の国会はどう審議し、批准したか?
第6章 メディアは何を伝えたか
第7章 在日朝鮮人にとっての日韓条約
第8章 植民地支配犯罪論の再検討 ─国際法における議論と民衆の法形成
第9章 国際法における過去の不正義と「歴史への転回」


序 論   ・・・ 吉澤文寿

1.はじめに─本書の問題意識
2.日韓会談の経緯
3.日韓会談に関連する外交記録の公開状況
4.おわりに─本書を読み進めるにあたって


第Ⅰ部 日韓会談文書を読み解く


第1章 「日韓財産請求権協定で解決済み」論を批判する   ・・・ 太田 修

一 プロローグ ─日韓条約の何が問題か

二 「財産」「請求権」という枠組み
「財産」「請求権」の歴史的理解/日本政府の「植民地支配正当化」論/欧米の旧植民地帝国の「植民地支配正当化」論/「解決済み」論の論理矛盾

三 冷戦下の「経済協力」
「経済協力」方式の創案/冷戦戦略としての経済開発主義/日本の経済的利益/「魔法の杖」─旧植民地帝国の植民地支配処理

四 もうひとつの「暴力」
被害者にとって法─条約とは/「韓国出身戦犯者同進会」/在韓被爆者、「忘れられた皇軍」/「沈黙」、「忘却」する人々/条約─法による「暴力」

五 エピローグ─危機の中で対話を続ける


第2章 用意周到に準備されていた会談の破壊 ─「久保田発言」と文化財協定合意議事録にある「勧奨」の真意   ・・・ 李 洋秀

一 「久保田発言」による日韓会談の決裂

二 手際が良すぎる外務省情報文化局長の「久保田発
言」擁護

三 四ヵ月も前に提案・検討・吟味されていた会談の決裂

四 政府の援護を受け、李承晩打倒まで打ち出した久保田

五 久保田発言の発端だった文化財返還問題

六 会談再開に際して秘密裏に文化財一〇六点を贈呈

七 贈与すると目録を渡しておいて結局、大部分は反故に

八 文化財協定合意議事録にある「勧奨」とは?

九 今後の見通しは─結びに代えて


第Ⅱ部 請求権協定・その論点


第3章 韓日過去清算、まだ終わっていない ─「請求権協定」を中心に   ・・・ 金 昌禄

一 はじめに

二 一九六五年の「合意」
「請求権協定」の内容/すれ違い/一致

三 五〇年間の「変化」
韓国からの「変化」/日本からの「変化」

四 「安倍談話」という退行

五 日本軍「慰安婦」問題に対する韓日外相「合意」

六 おわりに─問題は「植民地支配責任」である


第4章 韓日協定締結五〇年、改めて「対日請求権」を論ずる   ・・・ 金 丞垠(翻訳 野木香里)

一 猛烈な反対の中で調印された韓日協定

二 名分と実利─「請求権協定」に関する対国民説得論理

三 韓日協定締結後における韓国政府の法的補償措置

四 一二年もかかった対日民間請求権補償

五 歴史の被害者による国家責任の追及

六 改めて「対日請求権」を論ずる


第Ⅲ部 日韓会談をめぐる世論


第5章 日韓請求権協定 ─日本の国会はどう審議し、批准したか?    ・・・ 矢野秀喜

一 はじめに

二 第一次~第七次日韓会談に関する国会審議
第一次会談─在韓日本財産請求権をめぐって/第三次会談─「久保田発言」をめぐって/第六次会談、第七次会談─「金・大平合意」をめぐって

三 第五〇臨時国会における請求権協定に関する審議
日韓会談、日韓条約に対する各党の立場/衆議院・日韓特別委員会審議/参議院─本会議・日韓特別委員会

四 まとめ─私たちに問われていること


第6章 メディアは何を伝えたか   ・・・ 五味洋治

一 政府の世論誘導

二 久保田発言

三 調印への賛否

四 地方の視点

五 韓国の実情を伝える

六 世論調査

七 韓国民が願っていたこと

八 報道の問題点


第7章 在日朝鮮人にとっての日韓条約   ・・・ 金 鉉洙

一 はじめに

二 民団系在日朝鮮人運動と日韓会談

民団の日韓会談促進運動と法的地位要求貫徹運動/在日韓国青年学生運動と日韓会談

三 総連系在日朝鮮人運動と日韓会談

四 結びに代えて─在日朝鮮人にとっての日韓条約


第Ⅳ部 国際法の視点から


第8章 植民地支配犯罪論の再検討 ─国際法における議論と民衆の法形成   ・・・ 前田 朗

一 はじめに

二 戦争責任論と戦争犯罪論

国際刑事法廷の展開/日本軍性奴隷制問題

三 植民地犯罪論の模索

研究課題/国連国際法委員会での議論/各国政府の見解/植民地支配犯罪概念の削除

四 人道に対する罪と植民地支配

ダーバン宣言からの道─植民地犯罪をめぐる民衆レベルの議論/国際刑法の実践─「広範又は組織的に行われた攻撃」/人道に対する罪としての迫害

五 おわりに


第9章 国際法における過去の不正義と「歴史への転回」   ・・・ 阿部浩己

一 「琉球処分」という歴史的不正

辺野古基地の建設/「琉球処分」と国際法

二 国際法における過去

遅れてきた正義 Belated Justice/歴史への転回 Turn to History

三 被害回復への国際法の理路

韓国併合条約/日韓請求権協定

四 歴史の中の国際法─おわりに


あとがき(矢野秀喜)


資 料

  • サン・フランシスコ講和条約(日本国との平和条約)
  • 日韓基本条約(日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約)
    ・日韓請求権協定
  • (財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)
  • 日韓文化財協定(文化財及び文化協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)
  • 日韓文化財協定合意議事録(文化財及び文化協力に関する日本国と大韓民国との間の協定についての合意された議事録)
  • 2015日韓市民共同宣言 『植民地主義を清算し、ともに東アジアの平和な未来を開いていこう!』

五〇年目の日韓つながり直し 日韓請求権協定から考える吉澤文寿/編著
五〇年目の日韓つながり直し
─日韓請求権協定から考える─

A5判並製2段組・224頁
定価=本体2,400円+税
ISBN978-4-7845-1557-8

 1965年に日本と韓国が国交を正常化するにあたって、日韓基本条約・請求権協定が締結された。それによって両国は、経済・政治・文化の面で深い関係を結んできた。
他方、日本軍「慰安婦」被害者、元徴用工ら植民地支配の被害者が起こした戦後補償訴訟等においては、この請求権協定が障壁となった。
締結50年にあたり、このような日韓請求権協定を多面的に再検証する。その作業をとおして、日韓が真に信頼し合える同伴者として、東アジアの平和な未来をともに切り開くための道をさぐる。


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投稿者: 社会評論社・目録準備室

【社会評論社】●時事問題に取り組む活動記録、評論、学術書、ルポルタージュほか多岐に渡る図書を発行。市民の立場から世界を見る面白さがつまった本作りを心がけています。メール book@shahyo.com