未来のだるまを描いてみよう ─『全国だるまコレクション展』見学(川口・メディアセブン)

2017年1月21日、川口市立映像・情報メディアセンター メディアセブンでの催し『全国だるまコレクション展(「だるまの絵付け体験ワークショップ」関連展示)』を見学に参りました。

会場のメディアセブンは川口駅の改札から歩行者専用の空間「ペデストリアンデッキ」ですいすいとつながる施設の一つ、「キュポ・ラ」7階にあります。同館には市立図書館もあり、人の流れがたえない市民に開かれた空間です。

フロアに来ますとすぐに展示が見つかります。

室員が会場に着いたのは午後4時。実はこの日に初日イベントとして「だるまの絵付け体験ワークショップ」が行われていました。

「いま終わったトコ」

作業台の向こうから室員を見つけて下さったのは、イベントの講師を勤められた中村浩訳(なかむら・ひろのぶ)さんでした。

↑ こちら中村さん、メディアセブンのスタッフによる取材撮影を受けているところです。カメラマン、リポーターを笑わせるジョークがとまりません。

↑ この間、室員は展示の達磨コレクションを拝見。地域別のコンパクトな展示。なかでも「不統翁:ふとうおう」を間近ではじめて目に出来ました。だるまの歴史に欠かせない中国の起き上がりおもちゃ。「廟会(みょうかい)」(日本でいう縁日)で売られていた縁起物だそうです。詳しくは『達磨からだるま ものしり大辞典』をご覧下さい。

↑ 会場には山田るまさんもいらっしゃいました。全日本だるま研究会公式キャラクターとしてご活躍。参加者のお子さんに幼稚園の先生のような優しさあふれる笑顔をふりまいていらっしゃいました。

↑ 片付けられる作業台からちょっとイベントの名残だけでもお伝えできそうな写真をと一枚。ペイント前のまっしろ・だるまさん。これに参加者はおのおの楽しい絵付けをするという趣向。


中村浩訳さんはだるまに限らず「郷土玩具」の収集と観賞に楽しみを見いだしている収集家です。小社からは『達磨からだるま ものしり大辞典』と『おもちゃ博士・清水晴風』を編集して下さっています。室員はその制作進行を担当する中で、収集家活動のお話をうかがう機会があります。

郷土(ふるさと、地方)の玩具(おもちゃ)というくらいですから、日本各地の風土を大切にするおもちゃといえます。そして庶民的、親しみのわく見た目も特徴といえそうです。美術とはちょっと距離を置いていそうな話もあります。

その昔、「明治時代」が始まる世の中で、一部の大人たちのあいだで「郷土玩具」を収集し観賞するという愛好会ができてゆく歴史があります。なぜ大人たちはそうしたのか・・・まるで謎解きのようですが、郷土玩具の魅力を知るための大切な視点です(詳しくは『おもちゃ博士・清水晴風』を参照)。

今回行われたワークショップは子どもも大人も楽しく思いのままにその形状を楽しめるイベントです。選挙や受験での願掛けの対象でもあります。江戸時代の中期、18世紀頃から日本に登場する「だるま」は、意味合いをいろいろ変えながら今の時代も親しまれています。

イラストレーターの立場で郷土玩具のおもしろさを伝える方もいます。佐々木一澄さんはそのお一人でしょう。http://www.kazutosasaki.com/

中村さんは愛好会(日本郷土玩具の会、全日本だるま研究会)での活動と同時に、一般向けの展示会、イベント、メディアにも積極的に参加されています。そうした活動に接すると、長く親しまれてきた郷土玩具のおもしろさを伝えたいという一念が感じらます。

もともとはおもちゃですよね、江戸時代から明治にかけての。今のプラスチック、もっと言えばゲーム機と同じで「おもちゃ」(玩具、トーイ)なわけじゃないですか。その昔は今と比べて交通の便が悪いものだから、特定の地域から出なかったわけですよ。それで非常にこう、地域性に豊んだおもちゃになったんだけど、その地域、あの頃は「国」でしたから、「そのお国のおもちゃ」だったわけですよ。

いま普通に「日本のおもちゃ」と呼ぶ感覚を考えると、そう大それたことを「郷土玩具」に求めなくともいいような気がするんですよね。それをね、もっともらしく「この歴史がどうで…」と成り立ちに目を向けるのもおもしろいけれど、所詮おもちゃだから……。もうちょっと気楽にやりたいなぁという気もする。

ところが、いざ自分で文章を書くときや、しゃべるときは、「この黄色い所が僕にはとっても響く」と書いたり、しゃべったりしても誰にも感動してもらえないから、どうしても「このおもちゃはこうした歴史があって、こうこうこうで、何年まで誰それが作って…」となるのだけど(笑)、もうちょっと単純に、鑑賞の材料として、絵の題材としてとらえても、それはそれでいいんじゃないかと。

(「中村浩訳さんと語る」より『おもちゃ博士・清水晴風』所収)

達磨からだるまものしり大辞典
中村浩訳/著

定価=本体1500円+税 ISBN978-4-7845-1903-3
2011年刊

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レポート:東京民藝協会9月例会 郷土玩具②「郷土玩具の材料」講師 中村浩訳さん

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だるまの楽しみ方 ─中村浩訳さんの本

 

 

投稿者: 社会評論社 公式ブログ - 目録準備室 -

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