お面の話(“動かない表情の奥に隠された本心” ─『藤子不二雄Aファンはここにいる Book2 Aマンガ論序説編』より)

目録準備室の窓辺にかかっていている額のなかには「KOREAN MASKS」と銘打たれて仮面の小さな模型が6つ並んでいます。社会評論社が1993年に韓国を訪れたときの記念品です。

お面と聞くと、お祭りの日にアニメや特撮ヒーローのお面が並んでいる前で、ものほしそうにしていた思い出はありませんか・・・? 最近ではハロウィンのパレードでマスクをつけるということもあるでしょう。

お面、仮面、マスク。顔につけたとたんお面の表情(面相)に変身してしまう(!)不思議な道具です。

その歴史はとても古いそうです。民俗・芸能等の事典には「面」とか「変身」「仮面劇」などの項目がもうけられています。

有名どころでは能面。舞台で目にしたことのなくとも、どこかで記憶しているお面です。それと「わるいご いねがァああ…」と秋田のナマハゲ行事がニュースになったりしていますね。

ひょっとこおかめも、知名度のあるお面ですね。

ちなみに、つけるだけではありません、すするお面もございますよ。蕎麦屋で「おかめそば」をいただいてきました。おかめ顔に似せたカマボコ、ちくわ、おふ、シイタケ、そして海苔は髪の毛を模しているそうです(マツタケを乗せることもあるそうで)。すする顔がひょっとになるかどうかは・・・ご愛敬。


ここから本題です。

イタリアのベネチアで催される仮面カーニバルの歴史を掘り下げた新刊については先日ご報告しました。

ファッショナブルな仮面の祝祭 ─『ヴェネツィアの仮面カーニヴァル 海に浮く都の光と陰』(勝又洋子・著)発売中です

ヴェネツィアの仮面祭りを日本でも楽しむことができるようです。神奈川県の箱根にあります箱根ガラスの森美術館では「仮面祭り」が行われているそうです。(2016年12月27日から2017年4月9日)


さて、お面の不思議な魅力を描いたマンガをご紹介したいと思います。

藤子不二雄A作『仮面太郎』。

1969年から翌年にかけて『少年画報』に連載。単行本化を経て、現在は『藤子不二雄Aデジタルセレクション』(小学館)に収められています。

このマンガとあわせておすすめしたいのがこちらの評論。

稲垣高広著『藤子不二雄Aファンはここにいる Book2 Aマンガ論序説編』(2009年12月刊)。『仮面太郎』はもちろん、藤子不二雄A先生の作品世界を、たとえこれからマンガを読む方でも、わかりやすく論述した本です。(こちらは小社の書籍です)

383頁にわたる大著ですが、一つ一つのテーマと作品を設定していますので、どこから読んでも楽しめます。『仮面太郎』論は136~153ページ。見出しをあげます。

『仮面太郎』 ─ 仮面と顔面への執着 ─
◆動かない表情の奥に隠された本心
◆変身三部作
『無名くん』『ミス・ドラキュラ』『オヤジ坊太郎』
◆顔へのこだわり

【目次】

第一章 藤子不二雄Aギャグの世界

藤子不二雄Aギャグマンガ概論 一九六四年からのギャグマンガ道
『忍者ハットリくん』と『怪物くん』 藤子A二大メジャーギャグ
マンガのおかしみと人情味
『黒ベエ』 影の男の意地悪趣味
『仮面太郎』 仮面と顔面への執着
『マボロシ変太夫』 その奇妙で滑稽でシュールな笑いの世界

第二章 藤子不二雄A自伝的な世界

『まんが道』 自伝的虚構が内包する篤実な力
『少年時代』 子どもたちの葛藤と権力闘争の日々
『夢トンネル』 過去から学ぶための時間旅行

第三章 藤子不二雄Aブラックユーモア短編の世界

藤子不二雄Aブラックユーモア短編概説 奇妙な味のクロニクル
『黒イせぇるすまん』 友情を売るメフィストフェレス
『ひっとらぁ伯父サン』 日常に闖入した奇妙なファシスト
『マグリットの石』 空に浮かぶ岩石の異郷送り
『水中花』 水槽のなかの怪しく美しい世界
『赤紙きたる』 ある日突然召集令状が届いたら

第四章 藤子不二雄Aマンガの精神

《強者と弱者の二元論》
《あすなろの精神》
《ダメ少年の系譜》


【A先生の“語り”に着目した極上の「藤子マンガ」論序説!】

稲垣高広/著
『藤子不二雄Aファンはここにいる Book2 Aマンガ論序説編』

四六判・ソフトカバー・383頁 ISBN978-4-7845-0939-3
定価=本体1,900円+税


マンガの1コマから古典に誘う ─稲垣高広氏の講演会「ドラえもんから広がる読書の世界」(名古屋市富田図書館)と『ドラえもんは物語る』


ことしも残りわずかとなりました。本年も読者の皆様はじめ、書店様、図書館様、取次店様、著者の皆様、たくさんの関係者の方たちに支えていただきながらの1年でした。来年が皆様にとりますますよい年になりますことを、心より願っております。

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